
骨董品裁ち鋏
「出土品ですか?」と思うようなサビサビの刃物をお持ちになるお客さん、いらっしゃいます。「買い替えてはいかがですか?」という押し問答の末引き受けて、ダメだったことは数千本にいくつかあるかないかです。(適切なところで折り合いをつけるから)
では、限界はどこまでなのか?折り合いの付け所は?というのを探るために、今回骨董市で錆び鋏を手に入れて研いでみました。出会った裁ちばさみは「庄三郎」で元は28㎝あったことでしょう。
以前の持ち主は、相当手を入れて使い倒していたので、試料として申し分ないです。刃渡りを確保するためか面倒くさかったからかで、中ほどがくぼんでいる状態でした。
刃線は、一番出っ張って欲しい部分が一番へっこんでいるので、前後を相当削り減らして、形を整えました。錆でデコボコしているような内側は、すき直しました。いつもなら握りい意外の刃部は全部錆を取ってしまうのですが、今回は「骨董」がわかる様に刻印のある面は、錆が乗ったままにしました。
切っ先は2センチほど短くなって全長24㎝(一番見かけるサイズ)になりました。切れ味は申し分ないです。