研ぎ:グルーミング用品

キューティクルニッパーの調整:お気に召さなかったようです

「研究ノート#1」でご紹介している様に、
当店には、かなりボロボロのキューティクル
ニッパーがやってきます。

どうやら、研ぎ直しができるのは3回程度とされ
ていて、それ以上研ぎの進んだ場合は、寿命と
判断され研ぎを受け付けない場合が多いようで
す。

メーカーさんは、何か基準があるようですが、
当店のようなインディーズ系ではジャカスカ
研いで行くとこともあります。

そうするとこの写真に示す様に、レバーの幅が狭くなってバネが邪魔をして刃が閉じなくなる場合があります。「これで、寿命」とあきらめない場合は、レバーを削って細くしてばねの場所を作っている例があります。

 

ばね先ポケット

それは、良く工夫されたと感心するのですが、細くなりすぎる場合どうするか、レバーが弱くなってしまうのではないかと心配になります。

そこで、ポケットを掘ってばねが邪魔にならないようにしています。めったにないことなのですが、必要に応じてこういう対応をします。

今まで何度かやっているし、そのキューティクルニッパーも再び研ぎにやってくるので「お客さんも道具が長持ちして喜んでいる。ヨカッタ、ヨカッタ」と思っていたのですが、先日は違いました。

クレームになってしまいました。

内容は主に「何か窪みが出来ている」「閉じた時のレバーの幅が前より狭くなった」の2つ。寿命で破棄のところ、窪み(ばね先ポケット)ができたことでこの先も使ってゆけるし、研ぎが進めばレバーの握り幅が狭くなるのは常識、とご説明をしたのですが、「理屈はわかったけど満足しない」状態でした。

以前、使用劣化で切れなくなったものを研いだ場合で、測ったところ研ぎ減りが少ない場合レバーの幅は0.3mm狭くなりました。今回の場合、いくら狭くなったと言っても-1ミリ程度のはずなので、気づくとは思えません。もしかすると、ばね先が挟み込まれなかった分、スプリングが効くので、それで違和感を感じたのかもしれません。ばねが挟み込まれた場合、とても硬い感じで閉じ終わるのです。

種類によってはレバーの幅を広げる方法はあります。しかし、研いでるこっちは、幅の細かな狭まりまで気が付きません。そうとう研ぎ減りが進んで狭くなった場合など、対策が必要になってくるかもしれません。(「狭くなってちょうど良くなったのに元の幅に改悪された」というクレームになったりして、、、。)

ネイリストさんそれぞれ、経験も知識もばらばらだし、気にするポイントもばらばらなので、この先もこの調子でやってゆくしかありませんね。もっと年取って経験値が上がれば、何か方策が見つかるかもしれません。あ~あ、一生べんきょうだ~~。
(後日、キューティクルニッパーの計測具にて方策追加)

ただし、このご依頼主様は、手切れ金なのか授業料なのか、料金はお振込みいただけました。

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