流石に刃先を研ぐ時に使う訳ではありませんが、形を整える際にこういう鑢も使います。
長さは本体と同じぐらいなのが良いと思いますが、そこらへんに余っている端材を使うのでその長さに影響されます。これは本体より長いですが、邪魔だと思ったらその時に切って縮めれば良いという考えです。
割れ止めは、小口に金属の薄板を仕込む方式にしました。
ホームセンターその他で手に入る鑢の柄はもっとずんぐりしていますので、長い柄を意外に思う人もいると思います。しかし、解釈や技法はいろいろあるもので、非常に正確に鑢掛けを行わなければならない鋸の「目立て」で東海地方においては、とても長い柄を採用しているので、この鑢もそれに倣いました(当店も東海地方に属します)。ただし、鋸目立てを紹介した出版物は他の地方の研究事例を載せているものがほとんどなのでこれもまた意外と思われるでしょう。
鑢の長い柄の技法は「東海地方・最後の目立て師」と言われた故.酒井田淳一氏から学び(ヌスみ)ました。何しろ自転車で行けるところに仕事場がありましたから、ちょくちょく行っていました。
懐かしいことです。